伊藤真哉
「気にしすぎ」もひとつの才能
「相手に嫌な思いをさせてしまったかもしれない…」
「自分がどう思われているのか気になる…」
「きっと嫌われたに違いない…」
自分の言動やとった行動に対して、
自分がどう思われる(た)のかが気になってしまい、
悩まれる方もいるのではないでしょうか?
相手に確認できるでもなく、
気にはなるけれど解決しないということもあり、
こんな時は苦しい状態が続いてしまいがちです。
また、そんな状態で過ごしていると、
さらに色々なことに敏感になってしまい、
ストレスを感じることも多いと思われます。
ところで、
「気にし過ぎ」 や 「悩み過ぎ」 というと、
少しネガティブな印象を受けてしまいがちですが、
果たして、それは悪いことなのでしょうか?
「神は細部に宿る」という言葉があります。
iphoneなどで有名なスティーブ・ジョブズ氏に、
こんなエピソードがあったと言われています。
新作のパソコンができあがった時の話。
ジョブズ氏は、職人からその新作のパソコンを
受け取ると、パソコンの後ろのネジを外し、
中身の基盤を見たそうです。
そしてその時、職人に向かって、
「この基盤の形が気に入らない。
作り直してくれ。」
と叫んだそうです。
職人も、
「そんなところはお客様だって、誰も見ないですよ? 本当に作り直すんですか?」
と答えたそうですが、
「俺が気に入らないんだ」
と、ジョブズ氏に言われ作り直したそうです。
少し極端な例かもしれませんが、
ジョブズ氏も大変にこだわりがあり、
小さな部分まで気にされる方だったことが、
このエピソードからも伝わってきます。
ジョブズ氏には、
こういったエピソードは多数あるのですが、
そういう、私たちがあまり気にしないような細かな
ところまで気にする方であったからこそ、
使い心地のよいデザインの物が生まれたり、
読みやすいフォントが使われていたりするのです。
小さなことを気にし過ぎる方は、別の見方をすれば、
・細かなことにも気が付く
・配慮がいきとどく
・物事にも慎重に当たってくれる
というような人であるとも言えます。
色々なことが気になり、悩んでしまう人は、
人の心の痛みを理解し、寄り添うことのできる人
でもあるのです。
つい、ネガティブに捉えてしまいがちな、
「気にしすぎ」という特徴も、立派な才能であり、
また、そういう人たちがいるからこそ、
人に感動を与えるようなサービスを提供する
ことができたりもします。
「気にしすぎ」で悩まれている人がいたら、
その特性をプラスに活かしてみてください。
そういう視点で見てみると、
あなたにしかできないことや、気が付けないことが
たくさんあるはずですよ!