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  • 執筆者の写真伊藤真哉

本当に伝えたいことは伝わりにくい

私は寺院の息子として育てられました。

父親はとても厳格な人で、


・朝はお勤めと掃除をしてからの登校

・会話は敬語

・食事の時間は必ず正座

・玄関の靴を揃えないと説教

・22時完全消灯

・布団を畳まずに登校したのが見つかり、

帰宅したら家を追い出される

(いまでは笑い話ですね笑)


ごく一部ですが、正直しんどいな…と

感じることの多い学生生活でした。


寡黙で言葉の少ない父親は、

なにか注意や指摘をする際も、


「あまったれるな!!

いい加減ちゃんとやれ」


と、よく怒鳴られたものです。


当時は、「うるせーな」 なんて思い

ながら、説教が終わるのをやり過ごし

ていた記憶があります。


言葉というものは難しいもので、

この言葉だけ見てみると乱暴な印象

しか受けないかもしれません。

(いや、たしかに乱暴です…笑)


そして、私たちは、言われた言葉を

そのままストレートに受け止めてしまう

傾向にあります。



今回のケースで言えば、


「また怒られたよ。はぁ~」


といった感じですね。


ですが、きっと父親の意図は、

怒られたという印象を与えたかった

訳ではありません。


では、父親が伝えたかったこととは

なんだったのでしょう?


・ちゃんとやればできるだろ

・これができるようになって欲しい

・おまえなら大丈夫だ

・あきらめるな

・頑張れよ


本心としては、

おまえならできる


という思いがあるから、

指摘をしているのですね。


そもそも、興味がなかったり、

諦めている相手に対して、

頑張れよなんて思うことはありません。


ですが、言葉にすると、


「あまったれてるな!!

いい加減ちゃんとやれ」

という言葉になってしまうのです。


全然言葉が足りていません。


つまり、自分が思っている以上に、

自分の気持ちを言葉で伝えることは難しい のです。


「何やってんだ!しっかりしろよ」


職場で上司に怒られて落ち込んだ。

または自分が部下に言ってしまった。


その時の上司はどんな気持ちで

あなたにそんな言葉を言ってしまった

のだろう?


自分が本当に伝えたかった気持ちは

なんだったのだろう?


人は、本当に言いたいことをうまく

言えていないことが多く、伝わりにくい

ものです。


「伝える側が気を付けて、

ちゃんと伝えてくれるべき」

ごもっともです。


自分も含め、何かを伝えるときには、

充分に注意して伝える必要があります。


ですが、何もない状態で相手が変わる

ことはなかなかないでしょう。


そんななかで、言葉の表面だけの

意味を受け取り、自分だけ落ち込んで

しまうのは、自分にとってもやさしくなく、

また問題は何も解決しません。


その言葉は、どういう気持ちで相手は

言ったのだろう?

自分の言葉を聞いた相手は、

どんな気持ちでその言葉を聞いて

いたのだろう?

相手の立場になってその言葉の

意味を捉えてみる。


双方にほんの少しの思いやりが

できれば、コミュニケーションは

ぐっと円滑になります。


自分が使う言葉も、気を付けなければ

なりませんね!

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